私たちの主張・活動理念
●ともに歩み、行動しましょう

 元号が51日に平成から令和へ変わりました。明仁天皇の退位表明以降の喧噪は、前例のない10連休にピークを迎えましたが、10連休は国民生活に少なからず影響を与え、それを顧みることのないお祭り騒ぎや報道統制が敷かれたかのようなマスコミの有り様に、現代日本の病巣を見る思いに駆られた者も少なくないでしょう。高齢などを理由に退位した平成の天皇ですが、皇室典範に定めのあるものをなぜ変えようと考えたのか、政府はなぜ改元を51日にしたのか、天皇制とは何か、そしてこの国の民主主義の有り様などこそを考えるべきではなかったでしょうか。
 政権与党の圧倒的な議席の前に野党は不甲斐なく、今、この国の憲法、民主主義、平和主義、地方自治や基本的人権が踏みにじられようとしています。東京オリンピックやラグビーワールドカップを巧みに利用しながら支持を作り、中央集権体制を強化しているとしか見えません。
 中央の政官界で隠蔽、偽造、捏造、暴言などが行われても真実は明らかにされず、明確な責任を取る者はいません。不正がまかり通る傍らで、防衛費を増大させ米国の武器を爆買いするとともに、公安活動を活発化し反対の民意が示されたにも関わらず辺野古新基地建設強行をはじめ共謀罪を想起させる労働者の弾圧などが始まっています。法人税制優遇で大企業の内部留保は増大しているのに労働者の賃上げは僅かですが、逆進性の強い消費税率は引き上げられようとしているだけでなく、その新たな財源が社会保障には十分には廻らない模様です。入管法の改正や幼児教育無償化などはガス抜きとしか見えず、企業に都合良く利用者や労働者には不満の残るものと言えます。水道法の改正も利点がある一方で水の安全と水道料金が守られるのか懸念があるなど、地方自治体に様々な押しつけが強化されようとしています。じわりじわりと、そして無関心な者には気づかぬうちに、国家が労働者や国民一人ひとりを締め付けようとしています。
 私たちの「働き方改革」は緒に就いたばかりですが、まだまだ意識改革には程遠く、昨年度訴え続けた「膿を出す」には至っていません。つい先日、過労自死の報道もなされました。断腸の思いです。労働環境の悪化は長年の行財政改革が大きく影響しているわけですが、「不満はあるが仕方ない」で済ませてしまっている組合員や管理職が多い中で、再び大きな犠牲を払うことのないよう改善させなければなりません。一方で総務省の自治体戦略2040構想研究会報告や財務省の地方公務員削減試算が出され、更なる人員削減が現実味を帯びています。これまで組合員から見聞きし、様々な交渉で訴えてきたのは「人手不足」ですが、当局はまだまだ絞れるものがあるはずとの考えで、組合員に負担を求めようとしています。
 今の社会には他者の尊厳を守るという人権意識が低く、無関心の蔓延で、改革のためには大きな労力を必要とするようです。社会正義を実現するために、そしてワーク・ライフ・バランスを推進し健康で定年まで働ける環境を作り、さらに組合員負担に見合った対価が支払われるよう変えていくために、私たち県職連合は引き続き単組・支部・部会をはじめとする各組織の強化を図る中で、真実を見極め考え行動する「学習、討論、実践」を繰り返すとともに、自治労や連合に結集して声を大きくして労働者全体の底上げを図り、「組合員に信頼される」「組合員相互が支え合い、助け合う」労働組合を確立する必要があります。
 以上のことを念頭に、向こう一年間の「運動の基調」を以下の7点とし、取り組みを進めます。

【組合員から信頼される運動の推進】
 労働組合は、組合員に対し情報提供と説明責任を果たしつつその声を聞き、様々な運動を展開して要求の実現を図っていかなければなりません。そのためには、執行部が組合員から信頼される関係でなければなりません。組合員の信頼を得るため、以下の取り組みを推進します。

@職場オルグ、意見交換等による組合員との対話の推進
 A情報収集、情報提供・結果説明の強化
 B組合員からの相談に対する相談体制の充実と周知

【組織強化・結集力強化】
 労働者一人ひとりは使用者に対し圧倒的に不利な力関係にありますが、労働組合を組織することによって対等な立場となります。しかし、組合役員だけの活動や交渉のみで決着を図るには限界があります。組織率と団結力を高めることによって当局との交渉力が増し、各方面との連携によって影響力を大きくできます。
 多くの組合員が参加できる組合運動を構築し、学習会や意見交換を通じて結集力の強化を図るとともに、各支部等の活動を活性化し、各級役員の育成を図ることにより合理化提案に対抗できる組織をめざします。
  また、現業労、病院局労の組織強化に努め、働きがいのある職場づくりに寄与します。

@学習活動の徹底
 A誰でも参加できる運動の構築・展開
 B単組・支部・部会・評議会等の活動活性化
 C役員・活動家の育成
 D未加入組合員の加入促進

【賃金水準改善、職場環境改善】
 不当な民間賃金抑制と地方公務員優遇論は、地方公務員の賃金抑制圧力となっています。この間の「給与構造改革」や「級別構成の見直し」、交付税削減に伴う賃金カット、「給与制度の総合的見直し」による賃金抑制、二度にわたる大幅な「退職手当削減」、さらには人事評価制度の給与への反映などが、組合員の勤労意欲の低下を招いており課題が残されたままです。
 また、これまでの行財政改革により人員は大幅に削減され、職場環境は悪化しています。
 県民の期待に応えるため、またワーク・ライフ・バランスを推進し健康で勤務するためには、賃金と職場環境の改善が不可欠です。従来にも増して職場の意見を丁寧に集め、組合員の負担軽減に向けて交渉力を強化し、賃金改善・職場環境改善に取り組みます。

@組合員の意見・要求の集約力強化
 A交渉力強化
 B人員増などを通じた職場環境改善の実現

【労働安全衛生推進、福利厚生のさらなる充実】
  職場では、県民ニーズの多様化や社会・経済情勢の変化などにより業務量が増大し、超過勤務は減っていません。また、悪性新生物をはじめとする疾病や精神系疾患による病休者・現職死亡者も減っていません。超勤縮減は喫緊の課題であり、新たな「時間外勤務等の確認書」や36協定の趣旨を徹底し、「行政効率向上」の優先だけではなく職員の健康を守るため、各種闘争等を通じて超勤縮減を求めるとともに、職場の安全衛生活動を推進します。
 また、労働組合は相互扶助の精神で活動する組織であることを踏まえ、セット共済をはじめとする各種自治労共済制度の推進やろうきん運動の推進などにより、組合員の福利厚生の充実に取り組みます。

 @実質的な超勤縮減の実現
 A衛生委員会等を通じた安全衛生活動の推進
 B各種自治労共済制度および自主福祉運動の推進

【地方自治を守り公共サービス充実の取り組み推進】
 地方分権改革が始まって約20年。国と地方自治体の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に変わりましたが、交付税等で縛られ自己責任が押しつけられる状態は対等とは言えず、私たちが求める「国内どこに居住しても同等・良質な公共サービスを受けられる真の地方自治、地方分権の推進」にはほど遠いと言わざるを得ません。むしろ中央集権化、中央一極集中が進んでいます。
 県職連合は組合員の生活と権利を守り、県民に信頼される効果的で質の高い公務・公共サービスの提供と県政の民主的発展に寄与する社会的役割があります。今こそ、自ら地方自治を考えることが必要です。
 自治研活動は大分県職労が始まりとの自負を持ち、自治研活動の再構築をめざしながら、現行の地方自治体機能を検証し意見反映を行う必要があります。そして県民や各種団体等との連帯・共闘をめざします。

@地方自治、地方分権の推進
 A自治研活動の活性化

【反戦平和・政治闘争の推進】
 誰もが「平和で安心して暮らせる社会の実現」を望んでおり、戦争のない社会だからこそ勤務労働条件の改善を求め実現を図ることができます。しかし、「戦争をする国」作りが進められており、社会は内向きで他者の尊厳を傷つけ差別することに鈍感な不穏な方向に向かっているように思えます。
 私たちは人権が尊重され平和を希求する憲法を護るための取り組みを強化します。また、日出生台米軍実弾演習に強く反対し、日米安保、日米地位協定、在日米軍・基地等の問題を解決するため、被爆地や沖縄の仲間などと共に取り組みを進めます。
 そして、平和で民主的な社会の実現、職場の勤務労働条件の改善を図るためには、各級議会に私たちの声を代弁する議員を送り出す必要があります。当面する「吉田ただとも」の国政復帰の取り組みに勝利するためにも、組織内議員や支持・協力関係議員との意見交換や政治学習会などを通じて組合員一人ひとりが政治闘争の意義・必要性を理解し、地域から主体的・積極的に参加できるよう取り組みます。

@護憲活動・反戦平和運動の推進
 A政治闘争の強化
 B地域共闘の推進、各種団体との連携

【差別・格差のない社会へ 男女がともに担う県職連合運動の推進】
 社会のあらゆる分野への男女平等参画推進は今や当然のことですが、ジェンダーだけでなく様々な差別や格差、働きにくさや過ごしにくさが変わっているとは言えません。克服のためには、男女平等参画が「女性の課題」ではなく男性の課題でもあるように、一人ひとりが人権意識を高揚させ、社会、職場、労働組合における取り組みを着実に進める必要があります。
 当面する課題として運動分野での女性組合員の参加比率が低調なことが挙げられますが、運動に参加しにくい状況の改善のためには、「男女がともに担う県職連合計画」に基づいた誰もが活動しやすい組織体制の整備で、県職連合運動のさらなる活性化と組織強化を図らなければなりません。

@労働組合における男女平等参画の実現
 Aあらゆる差別・格差のない社会の実現

        <2019.6.26 大分県職連合第19回・大分県職労第99回定期大会 運動の基調 から>