私たちの主張・活動理念
●ともに歩み、行動しましょう
 東京オリンピック、ラグビーワールドカップ、そして平成天皇退位の喧噪の陰で、文書隠蔽・改ざん問題や自衛隊の文民統制問題などに対する時間稼ぎ、責任を取らないといった政治、政治家の見苦しさは、この国の将来を憂うべき事態と言えます。一方、地方公務員にとって自己責任論の最たるものは、始まって20数年が経過する地方分権改革であり、財政状況が好転しない中、国に交付税や補助金で縛られ、様々な計画を立てさせられ、「頑張っていないと見なされれば競争で勝てない」と思い込まされているとしか言いようのない状況です。

 その自己責任論は今、労働者一人ひとりに降りかかろうとしています。第196通常国会に提出された「働き方改革一括法案」は、比較データの「ねつ造」で裁量労働制の拡大こそ削除されましたが、過去2回廃案になったいわゆる「高度プロフェッショナル制度」の創設が盛り込まれており、時間外労働の上限規制についても曖昧な点があるとされています。このまま可決されれば、企業にとって都合の良い「働かせ方改革」となり、過労死を見過ごす事態にもなりかねず、そうした不満の矛先は公務労働者にも向かいかねません。

 そうした中で、2017春闘交渉で県当局から提案のあった36協定締結は、1年にわたって組合員意見を集約しながら議論した結果、新たな「時間外勤務及び休日勤務に関する確認書」「長時間労働の是正に向けた職員行動指針」とともに、4月1日から発効しました。もとより職員の健康管理が最大の目的ですが、これまで職場において正確な業務量と時間外勤務の実態把握が為されていない中で、また長年の労働基準法を無視した働き方が定着している中で、そして4月に中津市本耶馬渓町で災害も発生した折、「これ以上、業務効率・生産性を上げろというのか」「絵に描いた餅で超勤縮減には結びつかない」といった厳しい意見が寄せられています。果ては「どうしたら協定や確認書以上に働くことができるのか」という趣旨の問い合わせもある状態で、長時間労働問題の深刻さをあらためて実感するとともに、しっかり膿を出し、大分県から実効性ある「働き方改革」を成し遂げなければならないと痛感しています。

 そして、それらの問題は他者の尊厳を守るという人権意識が低いことが招くこの国の構造的問題とも言え、これを変え社会正義を実現するためには、まずは県職連合として引き続き単組・支部・部会をはじめとする各組織の強化を図るとともに、自治労や連合に結集する中で声を大きくして労働者全体の底上げを図り、「組合員に信頼される」、「組合員相互が支え合い、助け合う」労働組合を確立する必要があります。
 以上のことを念頭に、向こう一年間の「運動の基調」を以下の7点とし、取り組みを進めます。

【組合員から信頼される運動の推進】
 労働組合は、組合員に対し情報提供と説明責任を果たしつつその声を聞き、様々な運動を展開して要求の実現を図っていかなければなりません。そのためには、職場オルグや学習会・意見交換等を通じた対話が重
要であり、それが組合員の信頼にも繋がります。組合員の信頼を得るため、以下の取り組みを推進します。
  @職場オルグ等による組合員との対話の推進
  A情報収集、情報提供・結果説明の強化
  B組合員からの相談に対する相談体制の充実・周知

【組織強化・結集力強化】
 労働者一人ひとりは使用者に対し圧倒的に不利な力関係にありますが、労働組合を組織することによって対等な立場となります。しかし、組合役員だけの活動や、交渉のみで決着を図るには限界があります。組織率と団結力を高めることによって当局との交渉力が増し、多方面との連携により影響力を大きくできます。
 多くの組合員が参加できる組合運動を構築し、学習会や意見交換を通じて結集力の強化を図るとともに、各支部等の活動を活性化し、各級役員の育成を図ることにより合理化提案に対抗できる組織をめざします。
また、現業労、病院局労の組織強化に努め、働きがいのある職場づくりに寄与します。
  @学習活動の徹底
  A誰でも参加できる運動の構築・展開
  B単組・支部・部会・評議会等の活動活性化
  C役員・活動家の育成
  D未加入組合員の加入促進

【賃金水準改善、職場環境改善】
 不当な公務員バッシングなどにより賃金抑制の圧力は引き続いたままです。近年の「給与構造改革」や「級別構成の見直し」、交付税削減に伴う賃金カット、「給与制度の総合的見直し」による賃金抑制、さらに二度にわたる大幅な「退職手当削減」は、組合員の勤労意欲の低下を招いていますし人事評価制度の給与への反映は課題が残されたままです。
 さらに、これまでの行財政改革により人員は大幅に削減され、職場環境は悪化しています。
 県民の期待に応えるにも、賃金と職場環境の改善は不可欠です。従来にも増して職場の意見を丁寧に集め、
組合員の負担軽減に向けて交渉力を強化し、賃金改善・職場環境改善に取り組みます。
  @組合員の意見・要求の集約力強化
  A交渉力強化
  B人員増などを通じた職場環境改善の実現

【労働安全衛生推進、福利厚生のさらなる充実】
 2018年度は「働き方改革元年」と言われています。県民ニーズの多様化や社会・経済情勢の変化などにより業務量が増大し、超過勤務は減っていません。また、悪性新生物をはじめとする疾病や精神系疾患による病休者・現職死亡者も減っていません。超勤縮減は喫緊の課題であり、新たに知事と交わした「時間外勤務等の確認書」や36協定の趣旨を徹底し、「行政効率向上」の優先だけではなく職員の健康を守るため、各種闘争等を通じて超勤縮減を求めるとともに、職場の安全衛生活動を推進します。
 また、労働組合は相互扶助の精神で活動する組織であることを踏まえ、セット共済をはじめとする各種自
治労共済制度の推進やろうきん運動の推進などにより、組合員の福利厚生の充実に取り組みます。
  @実質的な超勤縮減の実現
  A衛生委員会等を通じた安全衛生活動の推進
  B各種自治労共済制度および自主福祉運動の推進

【県民に信頼される行政サービスの追求】
 地方分権改革が始まって約20年。国と地方自治体の関係は「上下・主従」から「対等・協力」に変わりましたが、交付税等で縛られ自己責任が押しつけられる状態は対等とは言えず、私たちが求める「国内どこに居住しても同等・良質な公共サービスを受けられる真の地方自治、地方分権の推進」にはほど遠いと言わざるを得ません。
 県職連合・県職労は組合員の生活と権利を守り、県民に信頼される効果的で質の高い公務・公共サービスの提供をめざすとともに、県政の民主的発展に取り組まなければなりません。自治研活動を展開しながら、
現行の地方自治体の機能を検証し意見反映を行い、県民や各種団体などとの連帯・共闘を強化します。
  @地方自治、地方分権の推進
  A自治研活動の活性化

【反戦平和・政治闘争の推進】
 誰もが「平和で安心して暮らせる社会の実現」を望んでおり、平和な社会だからこそ勤務労働条件の改善を求め実現を図ることができます。しかし、国内でこそ70年以上戦争はありませんが、社会は内向きで他者の尊厳を傷つけ差別するような不穏な方に向かっているように懸念されます。
 私たちは人権が尊重され平和を希求する憲法を護るための取り組みを強化します。また、日出生台米軍実弾演習に強く反対し、日米安保、日米地位協定、在日米軍・基地等の問題を解決するため、被爆地や沖縄の仲間などと共に取り組みを進めます。
 そして、平和で民主的な社会の実現、職場の勤務労働条件の改善を図るためには、各級議会に私たちの声を代弁する議員を送り出す必要があります。来春の県議選「守永信幸」の勝利と「吉田ただとも」の国政復帰のため、組織内議員や支持・協力関係議員との意見交換や政治学習会などを通じて組合員一人ひとりが政
治闘争の意義・必要性を理解し、地域から主体的・積極的に参加できるよう取り組みます。
  @護憲活動・反戦平和運動の推進
  A政治闘争の強化
  B地域共闘の推進、各種団体との連携

【男女がともに担う県職連合運動の推進】
 社会のあらゆる分野への男女の平等参画推進は今や当然のことですが、差別や格差、働きにくさや過ごしにくさが変わっているとは言えません。男女平等参画は女性のみの課題ではなく、男性の課題でもあることを認識し、社会、職場、労働組合における男女平等参画を着実に進めていく必要があります。
 県職連合も女性組合員の比率が高まっており、全ての運動分野に男女がともに積極的に参画することにより、県職連合運動のさらなる活性化と組織強化を図らなければなりません。
 このため、「男女がともに担う県職連合計画」を基に、誰もが活動しやすい組織体制の整備をめざします。
  @労働組合における男女平等参画の実現

        <2018.6.27 大分県職連合第18回・大分県職労第98回定期大会 運動の基調 から>